アフリカ・ルワンダのドン引きするコーヒーの飲み方

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ある朝、ルワンダにあるホテルでコーヒーを飲みながら、IFRS(国際財務報告基準)と国際税務の勉強していた時のことです。

 

一つ気になる文化の違いを発見しました。

 

ルワンダ人がやってきて目の前の席に座ったんです。

そして彼もコーヒーを頼みました。

 

店員さんがコーヒーとミルクと砂糖とハチミツを持ってきました。

ルワンダではコーヒーや紅茶にハチミツを入れる習慣があるんですね。

 

彼はまずコーヒーに砂糖を入れていきます。

ゆっくりと砂糖を1杯、2杯と。

 

3杯入れた時点で、

「砂糖入れすぎだろ」とつっこみつつも、私は勉強を続けました。

 

しかしですね、時間にして3分ほどは経ったでしょうか。

 

もうね、勉強しても全っ然頭に入ってこないんですよ。

 

なぜかって?

 

彼ね、

まだ砂糖入れているんです。

 

3分間留まることを知らないんです。

おそらくスプーンで10杯くらいは入れているのではないでしょうか。

 

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確かに、砂糖を入れるその所作は遅いです。

怨念でも込めているのか、一つ一つ丁寧に集中して、20秒くらいかけて砂糖を入れているんですね。

非常に奇妙な光景なんです。

 

でもね、世間では3分って砂糖を入れるには十分な時間だと思うんです。

3分間あれば料理だってできるし、ウルトラマンだってそれなりの事は終えるわけです。

かたや地球を守れるのに、かたやコーヒーに砂糖すら入れ終わらないわけです。

 

そんなこと考えていた時でしたね、遂に彼の手が止まったんですよ。

 

これでようやく勉強に集中できると。

ほっと一息して、私は再度持っている本に目をやり、勉強を再開しました。

 

しかしその1分後くらいでしょうか。

 

たぶん足りなかったんでしょうね。

 

また砂糖入れ始めたんです。

 

記録はどこまで続くのかと、

金本選手の連続出場記録を見守っていた時くらいの緊張感が私と彼の間に張り詰めるわけです。

 

スプーンもね、こんなに往復させられるとは思ってないと思うんです。

砂糖もスプーンもカップもね、若干ひいていると思うんです。

 

そして、多分14杯目くらいでしょうか。

砂糖をスプーンですくった手が止まるわけです。

そして砂糖と向き合うこと約5秒、彼はその砂糖を入れるのを止めたんです。

 

たぶん入れ過ぎと思ったんでしょうね。

14杯は多いから13杯にしとこうとか思ったんでしょうね。

 

いや、どう考えてももう手遅れなんですよ?

でも私なぜだか嬉しくなりました。

彼の自制心と記録に拍手を送りたい。

一度すくってカップまで持ってきた砂糖をまた戻すというマナーの悪さはさておき、

その行動は称賛に価するわけです。

 

そんなこんなでようやく落ち着けると、

砂糖カップとコーヒーカップの行き来を何往復も見送り、半ば催眠状態になりつつも、ようやく集中して勉強できると思ったわけです。

 

ところが次の瞬間、

彼が取り出したのはハチミツね。

あ、まだ折り返し地点だったわけね。

 

たぶん、ディズニーの熊に憧れているのか、前世が働き蜂だったのか分かりませんが、

これでもかとハチミツをタプタプと入れ始めるわけです。

 

さすがにね、ドン引き

 

さっきの称賛返してほしいのね。

 

確かに、ハチミツって体に良いらしいですよ。

美容とダイエットと病気の予防とかに良いらしいんですわ。

でも間違っても彼はそんなタイプじゃないわけです。

そんなのに気を遣うやつは砂糖13杯も入れないわけで。

完全にただの近所の甘党のおっさんなんです。

 

体型もね、明らかに成人病に片足突っ込んでるタイプなんです。

その彼がね、もう両足突っ込んで腰まで浸かっているんです。

 

コーヒーはもはやただの糖分の塊と化したわけですね。

 

しかもね、なんていうのかな、表面張力ってやつ?

コーヒーもうパンパンなのね。

一瞬、あれ?彼理科の実験始めたのかな!?

ここ実験室なのかなって、思ったわけですよ。

 

それでも、私がドン引きしている傍らで、彼は美味しそうにコーヒーを飲んでいました。

その顔は、幸せに満ちているわけです。

 

しかも彼は、その後コーヒーを2杯おかわりしていました。

 

もはや、成人病に腰浸かっているどころか、ダイブきめているわけです。

 

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(Jason M Parrish)

 

普通にこれ死ぬんじゃないかなってレベルでした。

 

ちなみに、ルワンダ人全員がここまで激しい飲み方をするわけではありません。

でも、砂糖をかなり多めに入れる人が多いことは確かです。

 

そんなこんなで私は終始ドン引きしていましたが、

もしかしたら彼は死を感じるからこそ、幸せを感じられるのかもしれません。

 

また、みつを先生も言っていました。

「しあわせはいつも自分のこころがきめる」と。

 

だから私は自分を貫き通したそんな彼を尊敬しています。

 

立派な人生だったと思います。

 

生まれ変わったらまた働き蜂になれますように、

そう祈りながら、全く勉強できないので別のカフェへ移動しました。

 

 

 

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