「ルワンダ大虐殺の歴史」と「アフリカの奇跡」を3分で理解する

ご訪問ありがとうございます。

現在2017年7月のルワンダは大統領選挙中。

2選しかできない大統領選挙を無理やり3選可能にした現政権はいわゆる独裁ともいえます。

しかし、その独裁も仕方ないと言われるほど、現カガメ大統領の手腕の評価は高いのです。

彼はなぜ、こんなにも支持されているのか。

今回は、カガメ大統領およびルワンダを知るうえで外せないキーワード、世界最悪の事件「ルワンダ大虐殺(ジェノサイド)」の通説と、その後の復興「アフリカの奇跡」をまとめました。

今回は初めての真面目な回です。

キャラ違うので気をつけてください。

 

ルワンダ概要

ルワンダはここ。

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面積は四国の1.5倍、人口1,200万人、人口密度がアフリカで最も高い国です。

 

ルワンダの民族

ルワンダには、大きく分けてフツ(族)とツチ(族)がいます。

ベルギー植民地時代に長身細身・顔や鼻も小さい人々をツチとし、身長も低く太目・顔や鼻も大きい人々をフツとし、西欧人に近い姿のツチを支配側に置きました。

※補足:両者は元々同一の民族か同一でないかは諸説あるらしいのですが、宗教・言語・文化には差異はなかったそうです。

 

民族争い

植民地時代に対立構造が激化し、フツはフツ至上主義を唱え、ツチに対する暴力行為を行うようになったそうです。

ツチの一部も隣国のウガンダへ難民として移動するようになります。

また、ウガンダ以外の海外へ逃げ出した人も多数いるようです。

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しかし、この人たちが後のルワンダを大きく変えることになるのです。

 

ルワンダ大虐殺(ジェノサイド)勃発

そして遂に、1994年4月に大虐殺が勃発します。

目的はフツによるツチの殲滅です。

隣人が隣人を殺す、世界最悪の大事件となりました。

わずか3か月の間に国民100万人が殺されたのです。

これは、国民の10人に1人が殺され、約1日1万人、8~9秒に1人が3か月間殺され続けたことになります(実際には前半に多く偏りあり)。

いくら命乞いをしようが、家族を目の前で惨殺され、自分も殺されてしまいます。

ナタ、手りゅう弾、ライフル、生きたまま焼き殺されたりしています。

もちろん、レイプも横行し、時には鼻をそぎ落とし目を抉り、足を砕いて苦痛を与えるという行為もあったそうです。

 

なぜこんなことが起こったのか

きっかけは、フツの大統領が暗殺されたことです。

そして、普段からのツチへの不満と、ラジオで連日ツチを殺せという報道が流れ、煽られていったことが原因とされています。

メディアの力がとてつもなく強いことが分かります。

今の日本であればメディアの伝え方に疑問を持てる方がたくさんいますが、当時のルワンダの教育水準では、そのような判断はできなかったと言われています。

 

さらに国連や安全保障理事会が適切な介入をしなかったことも原因としてあげられています。

 

虐殺の収束

ウガンダでは、難民として逃げていたツチが「ルワンダ愛国戦線」、通称RPFを結成していました。

その後、RPFは大虐殺勃発に伴いルワンダに侵攻し、収めたのです。

この時の最高司令官こそが、カガメ大統領です。

そして、同年1994年7月に大虐殺は終焉を迎えます。

以上が大虐殺の通説です。

 

虐殺(ジェノサイド)の爪痕

ルワンダではいろいろなところに大虐殺の爪痕が残されています。

①教会

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(Wikipedia:https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ANtrama_Church_Altar.jpg)

 少し田舎のニャマタという場所には、かなり生々しい爪痕の教会があります。

入り口や建物には、銃が乱射された跡がたくさんあります。

殺された方々のボロボロの服も教会内にそのまま残されています。

また、何万体もの遺骨が保管されており、多くは頭が割られた跡があります。

今後子供が生まれないようにと女性器からナタで串刺しにした状態で外にさらされていたご遺体も保管されています。

 

②難民

難民として隣国へ行った人も経済的な理由などから未だにルワンダに帰れない人もいます

 

 

③PTSD

他にも、PTSDと呼ばれる言わばパニック症候群の方が多数おり、トラウマから当時の記憶が蘇り、毎年4月から7月頃にかけて、家から出て来られなくなる方は今も後を絶ちません。

 

大虐殺のことを映画で知りたい方は、「ホテル・ルワンダ」か「ルワンダの涙」などを見てください。

 

アフリカの奇跡

上記のような壊滅的なダメージですので、普通、復活はしばらく困難でしょう。

しかし、2000年にカガメ政権が発足し、類まれなるリーダーシップでルワンダの発展を導きました。

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(現在のルワンダ:筆者撮影) 

様々な政策が取られましたが、私が重要だと思うのは、以下の3点です。

復讐・憎しみの連鎖を止めたこと。

ディアスポラの活躍。

そして、投資を呼び込んだことです。

順に説明します。

 

①憎しみの連鎖

これは日本のいろいろな漫画アニメでもテーマになりますね。

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漫画ナルトでも主人公ナルトは常にその連鎖を止めようとしていました。

コードギアスでも主人公のルルーシュは…。

そしてルワンダ。隣人が自分の家族を殺したのです。通常なら復讐します。

しかし、政府は復讐を禁止し、ジェノサイドを助長させたメディアでの表現の自由も奪っています。

さらに、罪人は裁判にかけられ、何があったのか事実を皆でしっかり確認し向き合った上で、下された結論は「許す」という措置(減刑)でした。

虐殺扇動者は別ですが。)

結果として、隣人が家族を殺したにも関わらず、同じ村コミュニティで暮らしているという尋常ではない状態を維持しています。

想像できますか。私には無理です。

なお、表現の自由を奪うことは、真実が明かされないということも覚えておいてください。ここに書いている内容が全てだとは言えません。

 

②ディアスポラ

と呼ばれる内戦中に各国へ避難したルワンダ人が、外国で身に付けた知識や経験を活かし、祖国の復興に貢献したのです。

 

③海外投資

さらに、汚職をなくし、安全性も高め、街をキレイにし、海外から投資を呼び込むことを戦略としています。

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この考え方は国全体に浸透しています。

例えば、ケニアでは警察は外国人を見つけると金をとれると思い止めて、難癖をつけては賄賂を支払わせられることがあるそう。

一方ルワンダでは、たまに止められはしますが、賄賂を要求されたことは1回もないし、たまに外人を止めたものの、

「やべっ、外人止めちった」

という感じで、すぐに開放してくる人すらいます。

海外投資家が優遇されています。

 

④その他

上記3つ以外にも、法整備、男女平等の思想などを徹底したこともあげられます。

 

これらの結果、

政府腐敗認識指数ランキングでは世界で50位(アフリカ54か国中3位、日本は20位)、

ビジネスのしやすさランキング世界56位(アフリカ54か国中2位、日本は34位)、

男女平等度ランキング世界5位(アフリカ54か国中1位、日本111位)をマークし、

さらにルワンダはアフリカで最も安全な国の1つとして認識されています。

カガメ政権発足後、GDP成長率は平均で約8%(参考:世界経済のネタ帳http://ecodb.net/country/RW/imf_growth.html)。

虐殺がつい23年前、国土面積も小さい、資源もあまりない、内陸国といった圧倒的に不利な状況の中、短期間でここまで発展しているという、アフリカにはない先例を作り上げた唯一の国です。

 

これが俗にいう「アフリカの奇跡」です。

カガメ大統領のリーダーシップなしでは達成できなかったでしょう。

 

ルワンダの実際

ただし、ビジネス環境が非常に良いといわれていますが、アフリカ諸国で働いてきた人の意見を聞いても、正直他のアフリカ諸国と変わらないという現場の声も多いです。

コスト高、インフラ未熟、人材不足等で、困り果てています。

現地の会計士資格保有者でも、貸方と借方すら分からない人もいます。

また、安全性が高いとはいえ、私は泥棒、車上荒らし、交通事故、路上での暴力、訴訟に実際遭っています。

夜中に歩けるくらい安全と言われていますが、実際夜中に歩いて暴行に遭い金品を盗られた人もいます。

油断は禁物ということ。

それでもルワンダは他のアフリカ諸国に比べれば断然安全で、他にはない大きなビジネス可能性もあります(詳細は今度)。

正直、毎日腹が立ってばかりですが、ルワンダの背景を知ると、「許す」という気持ちが芽生えます。

ルワンダのため、日本のため、家族のため、もう少し頑張りますかね。

以上、分かりやすさ重視でかなり圧縮してしまいましたが、もっと詳細を知りたくなった方は是非調べてみてください。