アフリカでのドライブレコーダーの威力がとんでもなかった

前回、痔について随分無駄話をしましたが、ルワンダの必須アイテムとして、ドライブレコーダーを提案しました。

今回はその続き、ルワンダの交通事故について。

もう本当に事故多いんですわ。

首都では比較的事故が少ないですが、私が普段通っている道では、交通事故現場はもはや日常の風景。

ウィンカーを使わずに急に発進したり曲がって来たり、

カーブでの時速80kmでの追い越し、

車間距離3mの間への急な割り込み、

完全なる逆走等、

にわかには信じられない運転をしますので、やはり事故が日常的に起きます。

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あまりに事故が日常的過ぎて、ハンターハンターのクロロ的に言えば、昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わらない平穏な状態。

そして、私自身、この平穏な状態に過去2回遭っています。

特に2回目の平穏は、後ろからバスに追突され、ガソリンスタンドの壁に突っ込み、車の後部がぐちゃってなってしまい、修理に6か月かかりました。

走っている途中から嫌な予感はしていたんですよ、バックミラーに見たことないほどのバスのドアップが映ってましたからね。

奇跡的に私は無事でしたが(同乗者は念のため病院へ)、吹き飛ばされた方向が対向車線だったら死んでいたかもしれません。

これがクロロ様ならね、追突され吹き飛ばされながらも、

「昼下がりのコーヒーブレイクだ」

と平穏でいられたかもしれませんが、もちろん私はその境地に達せずパニック。

ただクロロ様に憧れる中二病の私としては、無理にでも「コーヒーブレイク」という単語くらいは言いたかったんですけどね。

ただ、事故後に、ハンドル握りしめて、ぶるぶる震えながら「コーヒーブレイク」ってブツブツ言っていたらね、逆にね、病院に連れてかれると思うんです。

母国への緊急搬送は免れないと思うんです。

 

まぁもう、事故に遭うのはもはや仕方ないとしてですよ、その後がね面倒なんです。

事故の後はデュエルの応酬です。

デュエルしようぜなんて間もなく始まる「オマエが悪い」という水掛け論。

しかもお互い、「ずっと俺のターン」ですから。

話がまとまらない。

まぁ日本も同じだとは思いますが、ちょっと程度が違うんじゃないかなと。比べたことがないので分かりませんが。

 

例えば、知り合いの方は、徐行運転中に、目の前でバイクがふらふら~と勝手にこけたのを見たのですが、それを可哀そうに思い、手当までしてあげました。

ぶつかってもいないし、勝手に自分で倒れたのも彼は認めたのですが、自分がこけたのはオマエのせいだと因縁をつけてきて、慰謝料を払わされていました。

 

このようにどんな状況でも、基本デュエルからは逃れられません。

ただ普通にデュエルすると、時間とコストが飛んでいきますから。 

なんであんなに無駄に遊戯王カード買ったんだろうという後悔に似た後悔が、憑きまとうわけです。

 

そこで、この面倒な状況を打破すべく必要なのがドライブレコーダー。

カードを買うなら、遊戯王カードではなくメモリーカードです。

先月の日本への一時帰国でドライブレコーダーを購入しました。

事故後のデュエルでは、俺のターンっつってメモリーカード出せば即終了です。

ゲームバランスを無視した最強のカードの誕生です。The Endです。

これで無駄なデュエルから解放されると、ルワンダに帰った後さっそく意気揚々と取り付けようとしたんですけどね、

私って真面目じゃないですか。

説明書とか全部読んで100%遵守するタイプじゃないですか。

で、説明書にとんでもない指示がありましてね。

「粘着テープの取付強度を強くするため、取付後24時間以上放置してから使用してください。」

 

24時間放置…だと!?

 

その間に何かあったらどうしてくれんだ!?

 

確かに普通に考えたら事故は起きないんですがね。

「ありえない」なんてことはありえないって、どこかのホムンクルス(人造人間)が言っていましたしね。

それに私は、イルミの針が刺さっている時のキルアくらい逃げ腰な考えの持ち主ですから。

でも指示は指示です。私はメーカー様を信じます。

そして、ここから恐怖の24時間が。

次の日、運命の24時間経過まであと3時間ほどでしょうか。

どうしても中心街へ行く用事がありましたので、これ以上ないほどに気をつけて走りました。

いつも以上に目視確認を行い、全身全霊を運転に傾けました。

普段仕事では見られない集中力。

走っている車が止まって見えたらいいなと言うほどの集中力。

スラムダンクの安西先生も似たようなこと言っていましたがね、

私の顔つきが変わり、100%運転に集中し始めました。

こんな時、奇跡というのは起きるものです。

 

 

 

 

 

事故りました。

 

 

 

 

 

えぇ、にわかには信じ難いですが、

事故りました。

 

相手のバイクもぶっ壊れてね。

 

再確認ですが、とても

「コーヒーブレイク」

どころではございません。

 

ちなみにどんな事故かというと、相手のバイクが車線変更の合図も一切なく私の車の前に飛び出しきて、ドカンです。

私も急ブレーキをかけ、さらにとっさに車をガードレールにぶつけてスピードを減らそうとしたものの間に合わず。

幸い私にケガはなく、車も奇跡的に擦り傷のみ。

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そして、肝心のドライブレコーダーですが、まだ24時間経っていません。

一連の事故をただただ見送っていただけの電化製品の塊です。

今デュエルが始まってもメモリーカードを出すことはできません。

 

幸い相手にもケガはなかったのですが、起き上がった瞬間、

「俺のバイクゥゥゥ!」

と叫んでいました。

 

デュエル開始の合図です。

 

私に向かって猛烈にバイク壊れたアピール。

まぁね、自分のバイク壊れてるし、警察も目の前にいましたから。アピールする気持ちは分かるよ。

でも飛び出してきたのはそっちなわけで。。。 

でもこっちにはそれを証明する術がないのです。

これは長期戦になると思いかけていたその時でした。

そのバイクの彼がチラッとね、うちの車のフロントガラス見たと思うんです。

いや、あれは完全に見てましたね。

で、そこには、電化製品の塊だけども、カメラらしきものが設置されているじゃないですか。

それが目に入ったからかどうかは定かではありませんが、急に、

「お前の車は大丈夫か?」

なんて心配してくるわけですよ。

 

もしやこいつ…カメラにビビっている!?

 

確かに、車についているカメラを見て、

「あれ?これ、カメラは付いているが、実は粘着力を強くするため24時間放置している状態かもしれないぞ?撮られていないだろう。デュエルだ」

などという、超ポジティブな仮説が立てられる人間がこの地球上にどれほどいることでしょう。

彼からしたら、世界最強のカード、メモリーカードを私が出してくると思っているに違いありません。

 

ここからはずっと俺のターン。 

 

私「お互いケガがなくてよかった。いやぁしかし、びっくりしたよ。急に飛び出してくるんだもん。」

彼「い、いや、飛び出したかな?」

 

チラッと、かつ大胆にカメラを見ながら

私「え、飛び出したよね?」

彼「え、ん?そうかも。」

 

あと一歩。

 

私「どうして飛び出してきちゃったのかな?」

彼「飛び出したわけじゃないけど、ちょっとふらついちゃって。」

 

とどめ。

 

私「うん、そうかふらついちゃったのか。じゃあこれって君に落ち度があるということだよね」

彼「…うん、まぁ。」

 

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ニア、僕の勝ちだ。

 

実際、事故が起きた時にこんなあっさり終わることはなかなかないです。

おそらくハッタリカメラのおかげでしょう。

 

皆様も運転の際は、ドライブレコーダーを日本から持参して付けてください。

現地ではなかなか見つからないか、あっても超高いです。

 

とりあえず帰宅後、事故に備えて、24時間を経過したカメラの向きを微調整し、そっとスイッチをOnにしました。

 

 

 

 

ちなみに、どうでもよい告知ですが、明日30日(土)の午後17:05 過ぎからNHKラジオ出演します。もしお暇ならどうぞ聞いてください。ルワンダのニュースを1つ取り上げて説明するだけですが。

ちきゅうラジオ - NHK