シンプル イズ ザ ベスト
ご訪問ありがとうございます。
アフリカ・ルワンダ会計士の笠井です。
普段はお金がないためお弁当の私ですが、この前久々に昼食を食べに外に出ました。
しかし、財布をみると残額は3,000 ルワンダフラン。日本円にして約400円。
こんな金額では、ルワンダ首都のレストランではなかなか食べられません。
そこで、できるだけ安そうなファストフードへ。
それでもメニューを見ると、どれも買えない事態。
でももう店入っちゃったし、私にも外人としてのプライドがあります。
これで、やっぱりやめるなんて行動をとった日には、
「あの外人は金がない。」
という噂が広まり、ネットで叩かれ、豆腐のようなハートを持った私は病に倒れ、家族共々ルワンダから追われる身になることは想像に難くないでしょう。
なので3,000ルワンダフランで食べられるものを血眼で探しました。
すると1個だけあったんです、食べられるものが。
それが私が頼んだクラシックバーガーセット。
最もシンプルなやつ。
私の今の全財産を投資して食べられる唯一絶対のハンバーガー。
「えーっと、あー、あったあった。これこれ。これが食べたかったんだよ。クラシックね。シンプル イズ ザ ベストだよ君、分かるね?」
無事、私の高尚なプライドは保たれました。
ワンポイント
すると、こんな感じのセットが出てきました。
むむむ?
こ、これは…
ガイル少佐の頭!?
もしくはジョジョのポルナレフ!?
これ食べてもシルバーチャリオッツ発動しないよね?
メニューの写真にはなかった、正直なくてもよい天を突くようなレタスが付いてきたのです。
シンプルなハンバーガーどころか、事態は非常に複雑化していきます。
なぜレタスがパンに突き刺さっているのか。
考えるほどに、頭がどうにかなりそうです。
オシャレとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗が垣間見えます。
現在私、俗にいう「ポルナレフ状態」に陥っています。
ルワンダの妖精さんによるいたずら
こんな繊細な飾りつけを一体どんな奴が作ったのか。
女性か、優男か。
収穫したレタスをまた植えているくらいですからね。
きっとお花畑にいる妖精みたいな奴がつけているに違いない。
そう思った瞬間でした。
不思議とね、愛着が湧いてきたんです。
見るたびに、ハンバーガーの妖精さんが浮かんでくるんです。
お客さんを少しでも喜ばせようと、人のハンバーガーに穴まで開けたんですよ?
健気じゃないですか。
きっと心の優しい妖精なんでしょう。
だからね、その妖精への敬意を表して、刺したまま食べました。
もうね、私と妖精の間には、何かこう見えない絆みたいなものが出来てるんですね。
思わず店員に妖精、もといシェフを呼んでくれって言いそうになったよね。
だがしかし、食べていくうちに、敬意は怒りに変わります。
食べるたびに、こうフワって何かが鼻にあたるんです。
そうです。
このレタスすげー鼻につくのね。
元々ハンバーガーって食べにくいじゃないですか。
だんだん形が崩れてきて、汁とか出てきて、手がびちょびちょになるじゃないですか。
具とかもう反抗期かってくらい自分の居場所から勝手に飛び出してくるじゃないですか。
そんな時にですよ、鼻にフワって。
逆にシェフ呼出しだよね。
食べ終わった後、妖精に会いに行きました。
カウンターの人に尋ね、
「あそこにいるあいつがシェフさ」と、振り向くと…
よ、妖精さーーーーん!!!!!!!
この方があんなファンシーな飾りつけを!?
正直全く予期できなかった事態。
現場は大混乱です。
再度ポルナレフ状態へ。
こんなところに隠れた才能が眠っていたわけです。
あまりの逸材に、スラムダンクの安西先生も震えます。
しかも、彼はめちゃめちゃ良い人で、写真もOKしてくれました。
ルワンダに来た際には是非、立ち寄って欲しい店です。
が、2週間後、店が潰れていました。
もしかしたら妖精は、次はあなたのハンバーガーに宿るかもしれません。
でもやっぱりハンバーガーを普通に食べたい方は、ポチッとしていただけますと、妖精は現れません。