アフリカのマラソン大会で感じた絶望と死に瀕した話

ご訪問ありがとうございます。アフリカ会計士の優雅です。

先月、アフリカ・ルワンダでマラソン大会がありました。

昨年は参加したのですが、今年はラマダン(イスラム教徒が断食する月の名)が近かったんですね。

ラマダンの時期って人混みでテロ起こりやすいんですよ。

で、私ってチキンじゃないですか。

そのチキンたるや、鶏までヒイてるって噂じゃないですか。

なので、怖いのでやめました。

そこで、前回参加した時のことをお話しします。

 

ルワンダと日本の架け橋

ルワンダでは世界で唯一野生のマウンテンゴリラを見ることができる山があります。

なので、ゴリラの格好でハーフマラソンに参加しました。

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お金もかけました。

日本から輸入して、全部で3万円くらいしましたね。

着て試しに走ってみましたが、呼吸がうまくできないんです。

なんか呼吸音がヒューヒューなるんです。

鬼嫁様からは、

 

「ホント無駄。死ねば良いのに」

 

と言われましたが、

いやいや、あなたはバカですか、と。

コスプレして参加するのは日本では当たり前ですが、ルワンダではまだ未開発の領域。

であれば、大会の注目を一挙に集めるわけじゃないですか。

これからね、かつてないゴリラ旋風が起こるぞと。

ルワンダのテレビ局も絡んでの今年のベストオブ何とかに選ばれるぞと。

すると日本とルワンダの平和の架け橋みたいな役職も与えられてね、私に仕事も降ってくるわけですよ。

その辺、分かっていないわけです。

もうね、議論しても無駄ですから。

とりあえず家からゴリラの格好で会場に行きましたよ。

 

会場までの道で、いろいろな人とすれ違いました。

その皆の反応ったらね、

 

すごい無視するんです。

 

「わー、何アレー、気持ち悪―い」

とか、そんなのもなく。

たまにチラ見する人もいるんですけどね、一瞬だけ。

興味ないんです。

 

こういうのってキャラの徹底大事じゃないですか。

基本原則はしゃべらない方がシュールだと思うんですよね。

でも、あまりに無視されるからね、すれ違っては

「ハロー」

「こ、これどうかな?面白い?」

って聞き始めちゃう始末ね。

 

もうね、ザ・みじめ。

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しかもコスプレしているのは全参加者のうち私含めたったの2名。

他の1名も顔出しのプーさんみたいな可愛い着ぐるみですからね。

私だけ明らかに浮いているわけですよ。

もうね、やっちゃった感半端じゃないんです。

 

警察もね、明らかに警戒していました。

おそらく、テロの疑いがかけられているのでしょうか。

確かにね、この会場で一番テロしそうなやつって私だよね。

ある意味もう自爆テロ中ですけどね。

ルワンダと日本の架け橋どころか、テロリスト扱いだよね。

 

3万円かけて、鬼嫁様にも怒られて、呼吸ヒューヒュー言って、無視されて、

精神的にすごい辛かったよね。

もうトラウマになりそう。

 

でも幸いだったのが、スタート付近に行くと状況が変わって人気上昇してきたことです。

取り囲まれて写真撮影なども求められたり。

 

これよ、これこれ。私が求めていたもの。

 

嬉しくなっていっぱいサービスしましたよ。

そうしていたら、後ろからいきなり

「邪魔だ!ランナーが通るぞ!どけ!」

って突如係員に怒られました。

 

「ん?あ、あれ?スタートしてる?」

 

ようやく訪れた人気にすがっていたため、スタートを見逃しました。

慌てて逆走し、スタートしだすゴリラ。

するとどこからともなくアナウンス。

「先ほどのスタートはハーフマラソンの選手です。Run for Funの選手(7kmマラソン参加者)はまだです。走らないでください。」

明らかに私指名で注意したよね。

私ハーフでエントリーしたんですけどね。

もう面倒だから無視してそのままスタートを切りました。

 

絶望からの瀕死へ 

街の反応はどうだったかというと、朝の雰囲気と打って変わってゴリラ歓迎ムード。

これよ、これこれ。

嬉しくなっちゃってね、いろんな動きをしていっぱいサービスしました。

そうしたら10km地点くらいで案の定ね、

足つりましたよ。

完全になめてましたね。

ルワンダは「千の丘の国」の異名を持つ丘だらけの国。

すごい過酷なんです。

 

しかも、暑いのなんのって、汗の量が尋常じゃないわけです。

着ぐるみの指の先に水も溜まっていて。

で、水飲まないとヤバいじゃないですか。

脱水症状になったら大変です。

14km地点くらいに給水所あるので、めちゃめちゃ頑張りました。

そして、ようやく念願の給水所に辿り着き、水をもらおうとした時に言われましたよ、

 

「フィニッシュ(品切れ)」

 

殺す気か!

 

てか、まだかなりたくさん人いるんですけど!?

リアルに死人出ますけど!?

 

もう前回のブログでも触れましたがね、

在庫管理絶対おかしいって!

www.yugablog.com

 

もう仕方ないですから、水なしで走りましたよ。

そうしたら最後5kmくらいでしたかね、なんかね、手足がしびれてきて、震えてるんです。

何か目まいもするし。

一瞬で悟ったよね。

 

あ、これ脱水症状だ。

ヤバいヤツだ。

 

でもあとちょっとだしなぁ。

ここで、私を奮い立たせたのが、現地の温かい声援。

「Go! Go! Go!」

そうかそうか、皆そんなに見たいのですね。

ゴリラが急に倒れて、悲劇が起こる瞬間を。

 

そこまで言うなら、もう少し頑張ろうじゃないですか。

かといってね、私子供もいますし、ここで無駄死にするわけにはいきませんから。

ゆっくり歩くことにしました。

 

そして残り3kmくらいでしたね、最後の難関が来たのは。

村の子ども達とエンカウント。

さぞかし面白かったんでしょう。

足を引きずりながらヒューヒュー言っているゴリラを見つけたんですからね。

そりゃあ容赦なく殴りかかってくるわけです。

 

あのね、マジで死ぬから!

 

子どもって手加減ないじゃないですか。

意識が朦朧とする中、四方八方から襲われたよね。

全力で抵抗しましたが、反応すればするほど状況は悪化する一方。

さらに、途中で私が外人だと分かり、

「ガイジン!」

「ガイジンだ!」

って騒ぎ始めるのね。

 

ここはドラクエ3のジパングですか。

 

最後の方は、膝カックンしてくる奴まで出てくるんですよ。

元々瀕死の状態ですから、

子どもの膝カックン一撃で倒れたよね。

あと、1回吐いたよね。

さすがに吐いた時の子供の反応ったらね。

ゴリラの仮面外してアジア人が道端で嗚咽しているわけですからね、さぞ衝撃だったでしょう。

 

途切れかける意識の中で鬼嫁様の出かけの一言を思い出しました。

 

「ホント無駄。死ねば良いのに」

 

もうね、いろいろ正しいし、なんならもうすぐ夢叶いますよ。

 

結局2kmを30分かけて子供たちの暴行に遭いながら歩き続け、遂にスタジアムに入りフィナーレへ。

長かった…

水も飲んでいません。

もうね、手足どころか全身しびれているわけですよ。嗚咽も止まらないんですよ。

正直、ルワンダで、日本の秘宝アフリカ会計士死亡という悲報が起きてもおかしくなかった。

苦しみを乗り越え、感動の最後の直線です。

 

ここでカメラマンが乱入してきて、一言ね。

 

「ん~、写真撮りたいから最後くらい走ってくれないと困るなぁ。」

 

殺す気か!

 

走り終えて…

走り終えた後、水のボトルがもらえるんですけどね、もちろん

 

「フィニッシュ」

 

って言われましたよ。

 

今日私が言いたいことは2つです。

まず、脱水症状の対処方法。

水を飲むと良いでしょう。

 

2つ目。

このような大会に出る際には、水は自己責任で用意した方が良いです。

そして、水がなかったら棄権してください。

絶対に真似しないでくださいね。

命にかかわりますので。

 

 

 

 

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